イスに座っていられない子はあなたの周りにいますか?

・クラスの中でイスに座って話が聞けない子がおり対応に困っている保育士
・集中力をつける方法を知りたい人
・話が聞けるようにするために必要な環境構成がわからない人
そんなあなたに向けた記事になっています。
幼児クラスになり、話を聞いて行動するということも増え「イスに座れない」「集中力が続かない」等の姿が、顕著に見られるようになりますよね。
実際に僕のクラスでも、朝の会や一斉活動、制作の時間等に同じような姿が見られる子がいます。
そこで今回は、イスに座れない子に対して実際に行ってきた対応や、少しずつ話が聞けるようになった方法を紹介します。

結論から言うと個々の特徴に合わせた働きかけをすることが大切です。
聞いただけでは難しいと思います。
順を追って説明していきます。それではどうぞ!!
イスに座れない子どもの概要
まずは、実際に僕のクラスにいる子どもの様子を紹介します。

①4歳児クラスの男の子 療育には相談しているが引っかかる部分はなし
②イスに5分と座ることが難しく、立ち歩いたり保育室の外を歩いたりする姿がある
③座っていても他の友だちや周りの様子が気になったり、体をゆすったりしている
④絵本やパネルシアター等、好きなものには強い興味を示す
子どもの様子としては上の4点があげられます。
特徴的な姿が多く、わかりやすいと言えばそうなのかもしれません。
しかし、いざ自分が担任になるとそう簡単にはいきませんよね。
イスに座れない理由を考えてみよう
次に、なぜイスに座ることが難しいのかを考えてみました。

①足が床につかなくて落ち着かない
②体を支える体感が弱い
③目からの情報が他の人より入りやすく注意が散漫になりやすい
様々な理由は考えられますが、普段の様子から3つをあげてみました。
そして、次に働きかけを考えていくうえでどのように成長して欲しいかを考えてみました。
そこで行き着いた答えが「小学校の授業は45分、進学に向けて少しずつ座ることに慣れてほしい」ということでした。

少しずつイスに座れるようになるまでの関わり
ここからは、実際の子どもの様子、行動の理由、保育士からの思いをまとめた上で僕が行った関わりや働きかけを紹介する中で、子どもの変化や反省点等を知らせていきます。
①イスに座る際に足場を用意してあげよう
まずは、理由の①を解決する為に、イスの下に足場を用意してみました。
足が地面につくことで、足をぶらぶらすることもなくなり、視覚的に足を置く場所という認識もできるようになった為、落ち着いて話を聞ける時間が伸びました。
しかし、体を揺らしたりキョロキョロしたりする姿はまだ見られていました。

②日々の自由遊びで運動遊びを取り入れる
次に理由の②に着目し、体幹を強化してみようと考えました。
活動の中で週1回行っていた運動遊びの他に、自由遊びの中でも楽しめるようなサーキット遊びを設定するようにしました。
・足が地面につかないように鉄棒にぶら下がる
・バランスストーンやタイヤの上を落ちないように歩く
・手押し車

遊びを通し自然と体力や体幹もついてきたことで、少しずつイスの上でも落ち着いて座ることも増えてきました。
これは、一朝一夕で見につくものではないので、「長い目で長期的に行うこと」と、「乳児クラスから継続的に取り組むこと」の大切さを感じました。
早く始めることに間違いはありません。
③保育者の後の背景をシンプルにする
そしていよいよ理由③を解決する為に動き始めました。
目からの情報に敏感ということは、保育者の後に映る景色や飾りに注意を奪われます。
そこで取り組んでみたのが、話をする際に保育者のうしろをシンプルにするということです。
以前は、壁面装飾や子どもたちの制作物でいっぱいでした。
保育者が話す場所を固定し、その後ろを壁のみにすると「あら不思議!!」
今までキョロキョロしていた子と目が合うではありませんか。

この時には少しずつ、でも確実に手ごたえを感じていました。
④見通しを持たせてあげる
理由から思いついた関わりは一通り行ってみました。
そして最後に、目からの情報が強いということで一工夫取り入れてみました。
それは、見通しを持たせるということです。
大人でもいつ終わるかわからない話なんて聞きたくないですよね?
・マイクを用意し、「先生がマイクをお口から話したら終わり」と声をかける
・絵カードを使い、一日の流れややることを伝える

特に効果のあった2つを紹介してみました。
他にも砂時計やストップウォッチ等も使ってみました。
しかし、保育者の話を聞くというよりは、集中してその物を見つめるという姿が多く見られたので、僕はマイクの方法をおすすめしたいです。
2つ目の絵カードは、目からの認知が得意ということもあり効果抜群。
集中してみるだけではなく、言葉よりも理解して動く姿が見られました。
得意なことを通してイスに座れる時間もどんどん増えました。

他にもできるよこんなこと
メインでこれをやろうと決めて行っていたわけではありませんが、他にも気を付けていたことを紹介します。
・短く端的に話す
集中力が短い為、やることや大切なことを短く端的に伝えていました。
その為にも、自分の中で伝える内容を確認してから話すことが大切です。
・具体的に伝える
話をするときにやってしまいがちなのが「あれ」や「それ」を使うことです。
ただでさえ、注意が散漫です。
そこに想像できない抽象的な話が入ってきたら集中の糸が切れてしまいます。
ぜひ、具体的にそして端的に伝えていけるといいですね。
・楽しいことを織り交ぜる
話す前に、子どもが好きな手遊びやパネルシアター等を楽しむ時間を作っています。
大人も楽しみがある方が頑張れますよね。子どもならなおそうです。
「楽しむ時間」と「話を聞く時間」このメリハリができるといいですね。
さいごに
いかがでしたでしょうか、今回はイスに座っていることが難しい子についてまとめてみました。
最初にも言った通り、「個々の特徴に合わせた働きかけをすること」が大切です。
①足が床につかなくて落ち着かない
②体を支える体感が弱い
③目からの情報が他の人より入りやすく注意が散漫になりやすい
今回はこのような理由があるのではないかという中で行ってきた関わりです。
これが「耳が敏感な子」「場所にこだわりがある子」「隣りの友だちにこだわりがある子」等、子どもの特徴が変われば関わり方もまた変わってくるはずです。
ぜひ、一人一人の特性を理解し、「なんでだろう」と行動に疑問を持ちながら丁寧な働きかけをしていけるといいですね。
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