なんでもかんでも一番がいいという子どもはいますか?
前のめりな姿勢はいいですが、その影響でトラブルにつながったり、身の回りのことがおろそかに・・・という姿もあるのではないでしょうか。

・どんなことでも一番にならないと癇癪を起こす子どもがいて、対応に困っている保育士
・「一番じゃなくても大丈夫」ということを伝えたい保育士
こんなあなたには、ぜひ最後まで読んでほしい内容になっています。
結論から言うと「一番じゃなくても先生は見てくれているんだ!」という安心感を感じてもらうことがとても大切になります。
今回は、なぜこのような考えに至ったのかを、実際に僕のクラスにいた子どもの様子とアプローチの仕方を交えながら、実践で参考になる関わり方を紹介します。
保育園には様々な子どもたちがいます。
その子どもたち、一人一人に合わせた関わりをすることも保育士の大切な仕事です。
ぜひ、参考にしてください。

なんで「一番になりたいのか」を考えてみよう!
まずは、子どもの情報を整理するところから始めていきます。
そこで、今の現状を確認していきます。
・5歳児クラス
・一番になりたい思いが強く、身の回りのことが雑になったり、自分の思いを優先し友だちとのトラブルにつながったりすることが多い
・保育者の独占欲も強く、必ず保育者の近くにいる

次に、子どもの様子の理由を考えるにあたって、家庭背景も考えていきます。
よく考えてみると行動につながりそうなものが2点あったので紹介します。
・同じ保育園に通う下の子が重めのアレルギーを持っており両親の妹に注力する時間が多い
・父親が夜勤のある職種の為、家庭内での親子の時間が短い

最後に、今の現状と家庭背景をもとに「一番がいい」という理由を考えていきます。
子どもの問題行動を見ていく際には、背景をじっくり考えることが大切です。
必ず原因が隠れているので、丁寧に振り返ると少しずつ見えてくるかもしれません。
①単純に、年齢からくる闘争心や競い合いたい思い
②一番になって保育者から褒めてほしい、かまってほしい、認めてもらいたい
1つの行動に対しての理由を考えるだけでも、年齢、家庭、個性等、様々な視点から考える必要があるかと思います。
是非、その子なりの理由を見つけていけるといいですね。

一番になりたい子どもへの関わり方
それでは、上記で紹介した子どもの実態や理由を含め、実際にクラス運営の中で行った関わりを紹介していきます。
①どんな時に一番になりたいのか理解する
まずは、よりよい関わりにつなげる為にも、どんな状況で「一番になりたい」というこだわりが見られるのかを知ることから始めました。
すると、ビックリする結果が見られました。

それは、ゲーム遊びで負けてもいいのです。どれだけ怒るかな・・・とヒヤヒヤしていました。
そこではなく、保育者が目の前にいる時に一番強いこだわりが見られるのです。
・部屋を移動する際の保育者の目の前
・朝の会や、帰りの会の保育者の目の前
・読み聞かせの時の最前列
このような様子を見て、保育者間の中で意見は固まりました。
それは、この子は「一番になって保育者から褒めてほしい、かまってほしい、認めてもらいたい・・」このような思いが強いのではないかということです。

②まずは気持ちを満たしていこう!
関わりの①で、保育者に甘えたいということが分かったので、まずはその気持ちを十分に満たしてあげることから始めましょう。
おそらく、今回は「私だって頑張っているのに・・・下の子ばっか・・・」という気持ちからの姿だったのでしょう。
僕のクラスでは、特別扱いするというわけではなく、朝の受け入れで抱っこをしてみたり、お昼寝中にトントンをしてみたりと小さなところから始めていきました。

「せんせい!」と話しかけてきたらゆっくり目を見て聞いてあげてください。
「抱っこ!」とせがむなら時間を決めギュッと抱きしめてください。
「あなたの声は届いているよ」「あなたのことを見ているよ!」という安心感が大切です。
ここを続けていくだけでも、格段に気持ちの切り替えも早くなりトラブルも減っていきました。
段々と温かい関係性が築かれてきたら次のステップへ進んでいきましょう。
③一番ではなかった時の関わりを大切にしよう!
気持ちが満たされ始めたからと言って、一番へのこだわりがすぐになくなるわけではありません。
その日の家庭での様子や、本児の甘えたい思い等日々子どもの心は変化するからです。
だからこそ、一番じゃない時にできたことを認め、褒めてあげてください。

・食器の片付けで3番目にならんでいた時
→「最初じゃなくても怒らないで並ぶことができたんだね!」
「3番目でもきれいに重ねることができたね!」
このように、できたことを具体的に伝えることを意識しています。
そして、語尾にこの魔法の言葉をつければもう完璧だと思います。
先生はすごく嬉しかったよ!!

「人が喜ぶことをしているんだ!」「一番じゃなくても先生は見てくれているんだ!」ということを繰り返し感じることが大切です。
ここに安心感が生まれると子どもたちの姿も変わっていきます。
実際に今回モデルになった子の場合でも、少しずつ承認欲求が満たされたこともあり少しずつ一番へのこだわりは減ってきました。
まだまだ、保育者にべったりな時もありますが、子どもの成長は行ったりきたりするものです。
そんな時は、また2番の「気持ちを満たす」ところから始めてください。
もう大丈夫です、最初のような長い時間はかかりませんよ。

子どもについてまとめてみて
いかがでしたでしょうか。
今回は、「一番がいい!」という気持ちがどこからきているのか。
そして、どのように関わっていけば良いのかを紹介しました。
「一番じゃなくても先生は見てくれているんだ!」ここが今回の肝になります。
「一番じゃなくてもできた!」という達成感、そして見てくれているという安心感を感じられるように関わっていけるといいですね。
日々色々な子どもたちがいる中、それぞれの個性に合った対応で心身共に疲れていると思いますが、ぜひ今回の記事を参考に、ともに保育を楽しみましょう。

他にも、クラスにきっと一人はいる子への対応の仕方について解説しています。
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