部屋から飛び出してしまう子どもについての関わり方をまとめた記事です。
僕は、初めて目のあたりにした時は驚きました。
まるで漫画のごとく、さぞ当たり前かのようにいなくなるんですから。

・担当するクラスに部屋から飛び出す子がいる保育士
・気持ちの切り替えが難しい子がいるクラスの保育士
・個別対応が必要なことはわかっているが具体的にどうすればいいか悩んでいる保育士
こんなあなたには、絶対に読んでほしい内容となっています。
僕の経験上このような姿を見せる子は、気持ちの表現がとても苦手です。
だからこそ、部屋を飛び出すという行動で表現します。
そんな時は、僕たち保育者が表現方法を丁寧に知らせていきましょう。
ここが結論にあたる部分でもあります。
今回は、どうしてそのような考えに至ったのかも実際の様子や考察、保育者の関わりを交え紹介していきますね。

部屋を出ていく子どもの概要
まずは、子どもの様子や飛び出すことが多くなった時の家庭環境等を整理していきます。
・4歳児クラスの男の子 新年度より1歳児クラスに入園する妹がいる
・特に飛び出すことが多かった期間が進級当初の環境が変わった時
・活動と活動の合間や廊下に物を取りに行った時等、ふとした時にふらっと部屋から出ていく
幼児クラスになると担任も減り、時には1人で保育をすることもある。
その時に、ふらっと部屋を出て行かれたものならベテランでも大パニックです。

どうして部屋を飛び出すのか理由を考えてみよう!
一見、ただの進級による環境の変化が理由だろうと考えられるが、僕はそれ以外にもたくさんの理由があるのではないかと考えました。
子どもの行動には、必ず理由があります。
そこに気づくのも僕たち保育者の大切な仕事です。
それでは、他にも理由を出してみよう!!
・母が妹の入園を期に仕事復帰になる為、本人なりに寂しさを感じ甘えたい
・もっと「自分のことを見てほしい」「注目されたい」という欲求
・保育者に自分の思いや考えを伝えたいが、その気持ちを表現する方法がわからない
家庭背景や本児の特徴から考えてみると、こんなにたくさんの理由が浮かんできました。

保育者の思いをまとめてみよう!
いざ子どもたちへの関わりを考えていく時に、理由とともに大切になる保育者からの思いも考えていきます。
僕のクラスの場合は、以下の2点を考えてみました。
・甘えや欲求、嫌な気もち等の自分の感情を、様々な方法で表現する
・自分の思い通りにならなかった時に、徐々に自ら折り合いをつけ気持ちを切り替えられるようになる
このような思いを職員間で共有し、子どもの様子や発達段階に合わせた働きかけの方法を考えていきました。
目標を立てることはゴールを作る為だけではなく、振り返る場所を作るという意味でもとても大切になります。
ぜひ、「どうしよう」と悩んだ時に振り返ってみてくださいね。

部屋から出ていく子に対して保育園で行った関わり
それでは、実際に保育園で僕が行っていた関わりを紹介します。
上記であげた理由や保育者の思いをもとに紹介していますので、ぜひ参考になる部分だけでも、あなたのクラスで取り入れてみてはいかがでしょうか。
①部屋から出ていく理由を聞いてみよう

まずは、理由を聞いてみましょう。
子どもの行動には必ず理由があり、上記に記載した通り「自分を見てほしい」等の理由があるかもしれません。
そこを、いきなり「違うでしょ」と叱られたものなら、子どもは心を閉ざしてしまいます。
気持ちの伝え方や、表現方法を知らせるのはまだ先です。
まずは、「どうしたの?」「なにがしたかったの?」と語り掛けてみてください。
②表情カードを使ってみる

気持ちを聞いたからと言ってすぐに答えがわかるわけではありません。
なぜなら、気持ちをうまく表現できないからこそ、部屋を抜け出しているかもしれないですよね。
なかなか、言葉での表現が難しかったら上のイラストのような表情カードを使って、気持ちだけでも知れるようにしてみましょう。
「怒っている」「悲しい」「嫌だ」等、様々な表情がある中から子どもたちに選んでもらいましょう。
僕自身これは効果を実感しており、言葉で伝えられなかった子もほとんど絵カードなら伝えられています。
最後に、子どもの気持ちがわかったら「○○だったんだね」と、まずは気持ちを受け止めてください。
「先生わかってくれた!」これが大事なんです。
③「部屋からいなくなって悲しい・・・」 保育者の思いを伝えよう!!

子どもたちの気持ちがわかったら、大人の気持ちも伝えていきましょう。
ここでも、伝わりずらかったら絵カードや表情カードを使いましょう。
この際のポイントは、「部屋から出ません」と行動を否定するのではなく、「先生は○○くんが部屋から出てしまって悲しかった」と、ベクトルを保育者に向けて話してください。
信頼している、大好きな先生が悲しんでいることを知ることが大事です。

よく「自分が○○されたらどうするの?」と問いかけることもありますよね。
僕も昔はよくやっていたことを思い出します。
僕はこの質問に「やだ!」と言われたことしかなく、「いやだといえば終わると思っている?」「自分に置き換えて考えることがまだ難しい?」と感じていました。
そこで、想像する対象を保護者や保育者に向けたことで、理解の深まりを実感しています。
④気持ちの伝え方を知らせよう!!

それでは、部屋を出る以外の表現方法を知らせていきましょう。
僕は、この時も絵カードをふんだんに使いました。
なぜなら、言葉での表現が苦手だからです。
準備したのは「感情のカード」と「どうしたいかカード」の2種類です。
怒っている、悲しい、困っているetc
部屋から出たい、遊びたい、本を読みたい、走りたいetc

その中から、今の気分に沿ったものを選んで持ってきてもらいます。
まずは、部屋から出ないで表現できたことを褒めてください。
そして、まずはその思いをくみ取ってあげてください。
伝えることができたという成功体験を、子どもたちに感じてもらうことが大切です。
更に僕たちは「自分で気持ちの折り合いをつけてほしい」という目標に向けて、「どうしたいかカード」の種類を、室内で完結できることにする等縮小していきました。
あとは、子どもとのやり取りを繰り返し、言葉での伝え方を知らせたり、カードを使わない日を設けたりしながら、気持ちの表現方法や切り替え方法を学んでいきます。

部屋を飛び出してしまう子への関わり方を振りかえってみて
いかがでしたでしょうか。
今回は、自分の気持ちの表現が難しく、部屋から出ていってしまう子への関わり方を紹介しました。
最初にも言った通り、保育者が丁寧に伝え方を知らせていくしかありません。
ここで紹介した関わり方が全てではなく、あくまでも一例ということは忘れないでください。
姿や様子は似ている子どもたちでも、中を見てみると少しずつ違いがあります。
子どもたちの発達や行動の理由には、個人差があり同じということはないでしょう。
しかし、関わり方を知っているということは武器になり、選択肢になります。
ぜひ、今回の記事を参考に子どもたちへの関わりのヒントになったら嬉しいです。
他にも、様々なケースの子どもたちへの関わり方についてまとめています!!
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